マイホーム購入を考え始めたけれど、「新築住宅と中古住宅どちらがいいのか?」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。
当然「新築住宅」にもメリット・デメリットがあり、「中古住宅」にも、メリット・デメリットがあります。
どっちが「得」、どっちが「損」ということは、基本的にありません。
ただし、あなたやあなたのご家族がどちらに向いているのか?
その答えは
①価格
②立地
③新しさ(綺麗さ)
④建物の良さ(広さ・グレード・設備など)
上記の4つの要素において、どれをどの位、重視するのか?のバラスによって決まります!
あなたが「新築住宅派」か?「中古住宅派」か?あっという間に分かる
【チェックシート5つの質問】も、末尾にご用意してあります。
前半の記事では、不動産業界歴24年の経験から分かった、新築住宅と中古住宅をはじめとした「不動産選び」の基本的な考え方について、解説しています。
後半の記事では、「新築住宅」と「中古住宅」のメリット・デメリットについて、ランキング形式で発表します!
こんにちは、『公認 不動産コンサルティングマスター資格保有者』・上越市の不動産会社「LIXIL不動産ショップ 上越中央店」の金丸です。
「新築住宅」と「中古住宅」どちらを選ぶべきか?
結論からいうと、好みでいいと思います。
しかし、購入した後に、「失敗した」と後悔しないで済むためには、あなたやあなたのご家族がどちらに向いているのか?を冷静に判断することが大切です。
そのために
まずは、あなたやあなたのご家族が、マイホーム計画において
『価格』『立地』『新しさ(綺麗さ)』『建物の良さ(広さ・グレード・設備など)』
4つの要素のうち、どれをどの位、重視するのか?バランスを考えてみましょう!
以下の「レーダーチャート」が、不動産選び全般においての「原理・原則」となります。
もくじ(タップで跳べます)
不動産選び全般においての「原理・原則」
あたり前ですが、4項目のうち「何かを重視すると、何かを妥協しなければなりません」
例えば『立地』『新しさ』『建物の良さ(広さ・グレード・設備など)』3点全てにおいて、最良のものを目指すのであれば『価格』が高いことを妥協しなければなりません。
あるいは『価格(安さ)』に上限が決まっているのであれば、他の3点『立地』『新しさ』『建物の良さ』については、ある程度の我慢をする必要があります。
この四角形の形は変えられますが、四角形の大きさは『価格(予算)』を上げない限り、変えることは出来ません。
どうしても、『価格』との兼ね合いがあるので、欲張りすぎるといつまで経っても、自分の理想に合った住まいは見つけられないまま時間だけが過ぎていってしまいます…
これが、賃貸で「アパートを借りる場合」も、「マイホームを購入する場合」にも、不動産選びに共通する『原理・原則』となります。
一般的な新築住宅の特徴
●メリット
・建物が最高に新しい
・設備は最新モデル
●デメリット
・価格が高め
・同じ金額の中古に比べると、立地があまり良くない
・同じ金額の中古に比べると、建物が狭い
一般的な「中古住宅」の特徴
●メリット
・価格が安い
・同じ金額の新築に比べると、立地に優れている
・同じ金額の新築に比べると、広い
●デメリット
・築年数分、古い建物
・設備は、基本的に古い
あなたが「新築派」か?「中古派」か?分かる 5つの質問
「あなたやあなたのご家族が、どちらを望んでいるのか?」は、次の質問で分かります。
5つの項目ごとに、表の当てはまる部分に〇を付けてみて下さい。
前半の記事では、新築住宅と中古住宅の「一般的によく知られている特徴」と「大まかな選び方」について、説明させていただきました。
後半の記事では、新築住宅と中古住宅の「メリット・デメリット」について、ランキング形式で、より具体的に解説します。
新築住宅のメリット 1位~6位まとめ
第1位 主要構造部(雨漏れを含む)は10年間の保証付き
私が考える新築住宅の一番のメリットは、「保証の手厚さ」だと思います。
もし、やっとの思いで購入した住宅が「雨漏れ」したり、「崩れ」てきたら、ものすごくショックだし、修繕費用もかかって経済的にも困ってしまいますよね。
そこで、日本の政府は『新築住宅』については、売主である建設会社等に、法律で厳しいルールを設定しました。
新築住宅を購入した場合は、通常に使用していて(例えば、引渡しを受けた後、太陽光発電システム工事をして屋根を改造したり、増築などのリフォームをした等の特殊なケースを除きます)、雨漏れがしてきた等は、引渡しから10年間は売主に修理をしてもらうことが出来ます。
新築住宅なら、万が一、売主(建売業者や建設業者など)が倒産してしまっても、その場合に備えて売主に「瑕疵保険の加入など」が事業者に義務付けられています。
その場合は、住宅を購入(建設)した方は、保険会社から修繕費用の支払いを受けることが出来ます。
少し難しい言葉になりますが「瑕疵担保責任:かしたんぽせきにん(瑕疵とは隠れた傷や欠陥を意味する言葉です)」といって、具体的には「屋根や窓からの雨漏れや柱や梁が折れたとか、腐食したなど」については、新築住宅の場合、引渡しから10年間は売主などによる保証を受けることが出来る。と法律で定められています。
■新築住宅かし保険の範囲■
平成11年に施工された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」では
・新築住宅の構造体力上主要な部分
・新築住宅の雨水の侵入を防止する部分
について、引渡しから10年間の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)を負うことになります。
しかし、中古住宅の場合は、この不具合(雨漏れや、柱は梁が折れたとか、腐食したなど)についての保証の期間は
・業者売主の場合:2年間
・個人の方が売主の場合:通常2~3ヶ月程度(はっきりとは決まっていません)
と、新築住宅に比べると保証期間がかなり短くなります。
しかも、個人の方が売主の場合は、業者が売主の場合に比べると、それ程厳しくは責任が定められていません。
そのため、不具合が見つかっても、個人の方が売主の場合、相手に払うお金がなかったり、払う気持ちがなかったりすると、なかなか修繕費用などを受け取れないケースが現実的にはけっこうあります。
保証の手厚さを求める人は、新築住宅を選択した方が安心です!
■対象となる部分(住宅瑕疵担保責任の範囲)
一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会HP より引用
第2位 設備や壁紙など不具合について 1年間は保証あり
設備機器(例えば、TVモニターホン付インターホン・給湯器・IHクッキングヒーターなど)が「故障した」とか「具合が悪い」といった場合や、「壁紙の隙間が自然に広がってきた」とか、「自然にはがれてきた」などが起こった場合、新築住宅なら引渡しから1年間(壁紙は売主によっては2年間の場合もあります)保証を受けられます。
新築住宅に限っては、『完全な状態でお客様にお引渡しするもの』という共通認識が業界内にあります。
お客様が故意(わざと)・過失(うっかり)壊したとか汚したもの以外の不具合は、売主である建設会社等が新築から1年以内は面倒を見てくれるケースが多いです。
逆に、中古住宅は価格が安い代わりに、「汚れ」や「不具合」については、自己責任での対応が原則となります。
つまり、購入した方が、ご自身で修理などの対応をすることになります。
住宅に関して、少しでも「汚れ」や「不具合」があることが嫌だというお考えの方は、「新築住宅」を購入することをおススメします。
第3位 全て新品 清潔で気持ちいい!そして「今風のデザイン」
気持ちの要素が大きいのですが、新築住宅は、人が住んだことが一度もなく、基本的には全て「新品である」ということが一番の魅力かもしれません!
日本人特有の価値観かもしれませんが、「他人が使用したことがないまっさらなもの」という点に、生理的に惹かれる方は多いと思います。
そして、キッチンや間取り、細かいディテールも、ほとんどの新築物件は「今風のデザイン」です。
「とても爽やかで、ウキウキ・ワクワクとした気分で生活出来そう♪」
そんな夢が『新築住宅』には、あると思います。
第4位 最新の設備・断熱性や気密性・ベタ基礎
例えば、『お風呂』にしても、新しい製品が使われていますので
・お洒落なデザイン
・浴槽が大きい
・水はけの良い床
・メンテナンスのしやすい排水溝
は、もちろん
「浴室換気暖房乾燥機」が装備されている新築住宅もあったりします。
設備に関しては、古い製品よりも新しい製品の方が、性能や使い勝手が向上しているといえます。
例えば、最近の『システムキッチン』には、引き出しがゆっくりと閉まる「ソフトクローズ」という機能があります。
指を強く挟むこともなく安全で、勢いよく閉めても「ガチャン!」という不快な音がすることもなく「スウッ~」と静かにしまってくれて快適です。
これは、10年前はほとんど普及していなかった機能ですが、最近の新築建売住宅では、ほぼ標準装備に近づいてきています。
「この機能があるから、キッチンの使い勝手が格段に違う」という程のことは、けっしてないのですが、どうしてもこの機能が欲しいのであれば、「新築住宅を購入する」か、「中古住宅に新品のキッチンを入れるか」のどちらかの選択となります。
なお、『サッシ』もここ10年前後で
・ペアガラス
・樹脂複合サッシ
などの高断熱のサッシが普及していますが、その前の建築年代の住宅には、ほぼ使われていませんでした。
『基礎』についても、この10~15年前後で「ベタ基礎(鉄筋コンクリートで床下を覆っている基礎」を採用する建設会社が増えました。
一概に「ベタ基礎」の方がいいとは、言い切れませんが、耐震性・シロアリ予防などを考えると、昔の「布基礎」よりは一般的に性能が上だと考えられています。
第5位 新耐震基準である
1981年(昭和56年)6月1日以降の建築確認申請の建物は、「新耐震基準」といって、設計上は、震度6~7程度の地震でも倒壊・崩壊しない基準で建てられるようになりました。
つまり、新築住宅で建築確認を取得している建物においては『新耐震基準』となります。
中古住宅においては、築年数によっては「新耐震基準を満たしていないかもしれない」点に、注意が必要となります。
第6位 ほとんどの場合、住宅ローン減税の対象になる
「住宅ローン減税」を利用できたらいいなと考えている方も多いと思いますが、住宅ローン減税を利用するためには、「昭和57年以後に建築された住宅」または、「新耐震基準適合住宅」でなければなりません。
次のAかB、いずれかの基準をクリアしなければなりません
A:1982年(昭和57年)1月1日以後に建築された住宅
B:現行の耐震基準に適合していること
1981年(昭和57年)以前の中古住宅には、耐震基準を示す「耐震基準適合証明書など」が必要です。
その他
●床面積が「50平方メートル以上」であること(※)
※新築住宅の床面積要件について、令和5年以前に建築確認を受けたものは40㎡以上に緩和(合計所得金額1,000万円以下の者に限る。)。
つまり、新築住宅は、上記A・Bいずれもクリアしているので、「一般的に住宅ローン減税の対象になる可能性が高い」のですが、中古住宅は、「住宅ローン減税の対象になる物件と、対象にならない物件(「築年数」または、「耐震基準」の問題により)に分かれる点に注意が必要です。
第7位 固定資産税が最初の数年安い
「住宅ローン減税」以外にも、新築住宅の方が『税制上有利』な点があります。
その一つに『新築住宅家屋の税額軽減』という制度があり、新築住宅について、下記の様に一定期間だけ、建物分の固定資産税が2分の1に減額されます。
一定の条件をクリアする必要がありますが、普通の大きさ(50~280㎡)の普通の住宅を新築した場合は、ほぼOKです。
●木造住宅:3年間
●マンションなど※:5年間
※耐火構造または、準耐火構造の中古住宅で地上3階以上
ただし、中古住宅は固定資産税が高くなってしまうかというと、築年数が古いほど固定資産税は安くなっていますので、築年数が古い場合は、税制優遇された新築住宅よりも、固定資産税が安いケースもけっこうあります。
固定資産税が最初の3年間安い(木造住宅)から、「中古住宅よりも新築住宅がいい」と言えるほどの影響はないと考えます。
新築住宅のメリットまとめ
新築住宅のメリットを、より細かく具体的に挙げてみましたが、ざっくりまとめると
●きれい
●税制上の特典が多い
●保証が充実している
という3点に集約されます。
新築住宅のデメリット(マンション青田売り:1位~3位)
第1位 完成後に実物を確認したら、イメージと違っていた
通常マンションは、建設中に売り出されることが一般的です。
そのため、購入者は出来上がった状態を確認して購入するのではなく、代表的な間取りを再現した「モデルルーム」と「パンフレット」や「図面上の間取り」を見て、イメージを膨らませて、契約に進むケースが多くなります。
建物が完成する前に、建設途中で購入することを『青田売り』または、『青田買い』というのですが、契約前に「実際の間取り・眺望・陽当たりなど」を確認できないため、いざ、完成後に内見したら、「イメージと違っていた」という可能性があります。
中には、思っていたよりも、実際は「陽当たりが良かった」「眺望が良かった」「室内が広かった」という嬉しい誤算もあります。
その一方で、「陽当たりが悪かった」「眺望が悪かった」「室内が狭かった」とういう場合は、ガッカリしてしまいますね。
第2位 契約しても建物完成まで1年待たなければならないことも
新築マンションを建築中に購入する場合、マンションは着工から完成までは、『階数+3ヶ月程度』の工期がかかったりします。
例えば、10階建てのマンションだと、最大で『10階+3ヶ月=13カ月』経たないと工事が完成しない=住めるようにならない、というパターンもあります。
もしも、中古住宅なら、契約して1~2ヶ月後には、住めるケースが多いです。
しかし、新築住宅を青田買いする場合は、引渡しを受けて住めるようになるまで、『数ヶ月から1年位、辛抱強く待たなければならないこともある」という点も、デメリットとなります。
第3位 修繕積立基金(30~50万円程度)を支払う必要がある
新築マンションを購入するときは「修繕積立基金」といって、15~20年周期で行われるマンションの屋根や外壁をはじめとして共用部分のメンテナンス工事に備えて、最初にまとまった額を積み立てておく費用として、一戸あたり30~50万円程度の支払いが必要となります。
しかし、中古マンションを購入する場合は、新築で購入した人の「修繕積立基金」を引き継ぐことが出来ます。
新築住宅のデメリット(注文住宅:1位~3位)
第1位 価格が高い
新築住宅でも、特に購入するときの『満足度』が高いのは、ご自分の理想や好みに応じて自由設計してもらえる『注文住宅』ではないでしょうか?
マンションの場合は、新築マンションの青田買いだったとしても、ご自分の好みで選ぶことが出来るのは
・フローリングの色
・キッチンの色
程度だったりします。
しかし、一戸建てを注文住宅で新築する場合は
・リビングの形や広さ
・個室の数
・フローリングの材質や色
・壁紙の色や柄
その他
・コンセントの位置や数
もしも、ペットを飼う予定の方であれば
・ドアに「猫専用の出入り口を付けるか?」
などの打ち合わせもあったりします。
まさに、あなたの好みや、こだわりを詰め込んだ「世界で一つだけのオーダーメイド住宅」を造ることが可能です!!
しかし、それには営業マンや設計士等との打ち合わせが『合計5~10回以上』になることもあります。
当然、その分の人件費などの「コスト」は、価格に上乗せされる結果となります。
また、こだわりを追求していくと、「せっかくだから」という気持ちが先行して、どうしても『グレードの高い設備』を選びがちになります。
一つ一つの部材の価格は、とびぬけて高くなくても、積み重なるといつの間にか「考えていた予算をはるかに超えた金額になっている」ケースは少なくありません…
新築住宅(特に「注文住宅」)は、購入の満足度が高い分、価格も高いということを織り込んでおく必要があります。
第2位 打ち合わせが大変
前述の様に、注文住宅においては、「自分の要望を建設会社に細かく伝えることによって、自分好みのこだわりの住宅を造ることが出来る」という反面、「打ち合わせが面倒くさい」、ドアやフローリングの色などを「いちいち選ぶのが手間で、ストレスになる」と感じる人も一定数いらっしゃいます。
普段から忙しい方は、家づくりがスタートすると、建設会社との「打合せ」で、休日のほとどんどの時間が使われるようになり、確実にもっと忙しくなります。
・打合せの手間を楽しむ(家族でワイワイ楽しめるイベントととらえる)ことが出来るか?
それとも
・苦痛と感じるか?
は、人それぞれです。
もしも、打合せを「ストレス」と感じる方は、既にあるものを購入する
・中古住宅や
・建売住宅
を購入することがおススメです。
第3位 住めるようになるまで、時間がかかる
近年は、住宅建設の工期は、短くなってきており、工事がスタートしてしまえば、4~5ヶ月位で完成して住めるようになったりします。
しかし、建設会社と打ち合わせを始めてから、工事がスタートするまでには
「土地を決める期間」+「設計(間取りなど)を決める期間」+「予算を決める」などで、1~3ヶ月はかかります。
つまり、マイホーム計画を具体的にスタートしてから、住めるようになるまでは、「約半年から1年近くの時間がかかる」計算となります。
「なるべく、早く住めるようになりたい」と考える方は、あるものを購入する
・中古住宅や
・建売住宅
を購入することがおススメです。
中古住宅のメリット 1位~5位まとめ
第1位 価格が安い
中古住宅の一番のメリットは、やはり価格が安いことです。
住宅の購入において、価格を予算内に抑えることは「最大のメリット」とも言えます。
根本的な話になりますが、「住宅を購入する目的」とは、なんでしょうか?
色々な意見があるとは思います。
批判を恐れずに、私の考えを言わせていただきます。
私は、住宅を購入する目的とは、「今よりもより良い住環境を手に入れて、家族がより幸せに暮らせること」だと考えます。
仮に、「立地」も「建物の広さやグレード、設備」も理想通りの「新築住宅」を手に入れたとしても、「価格」に無理をした場合、果たして『より幸せ』になれるのでしょうか?
答えは、「NO」だと思います。
どんなにいい住宅を手に入れて、大きな満足度があったとしても、経済的に余裕がなく、食費やレジャー・子供の習い事などを制限したりして生活するようになると…
結果的には、『精神的にも余裕がなくなる』のではないでしょうか?
私は、不動産屋なので、立場的には「お客様には高額な住宅を購入してもらい、それに応じた高い報酬をもらいたい」と願っています。
そのため、こんなことを書くのは、自分の首を絞めるようなものですが、下記の様に考えています。
私は、「立派な家に住んでいても、経済的に余裕がない生活を送る人」よりも…
そこそこの家に住んで
・経済的にそれなりに余裕があって
・家族でときどき外食に行ったり、旅行に出かけたり
・子供にある程度の習い事をさせてあげられる
生活を送る人の方が…
『より幸せ』だと考えます。
「立地」「建物の広さやグレード、設備」「新しさ」も大事ですが、一番大事なのは、「価格(予算内に収める)」です。
「価格」を優先した上で、その他の要素のバランスをうまく取って、住宅選びを出来る方が、長期的に考えると『住宅選びの目的を達成できる人』だと思います。
価格を重視すると「中古住宅」も、選択肢の一つになる可能性があります。
第2位 実績があるものを買える
もしも、新築住宅で工事のミスや施工不良などが起こっていたとしても、実際に「家が傾くとか、雨漏れしてくるとか、配管が外れていて水漏れする」といった症状が出てくるまでには数年かかる可能性があります。
逆に、5~6年住んで大きな問題が起こらなかった家なら、その後も大きな問題は起こりにくいと考えられます。
もちろん、新築住宅の場合は、「主要構造部(柱、梁(はり)、基礎などの欠陥や雨漏れ」について、通常使用により起こったものであれば、売主責任で『修理』を受けることが出来ます。
第3位 出来上がった状態を確認して購入できる
間取り(広さや使い勝手)・眺望・陽当たりなど、実際に見て確認した上で、購入の判断が出来ることが、中古住宅を購入するメリットの一つです。
新築住宅の様に、「完成してから初めて、実際の家の中や、窓からの景色や陽当たりを確認できる。もしも、思っていたのと違っていたらどうしよう…」という心配は少ないと思います。
第4位 価格交渉できることもあります
新築住宅というのは、通常「価格交渉」が出来ないことがほとんどです。
価格交渉が出来る可能性があるとすると、完成してから1年近く売れ残っている時です。
もっとも、築1年が経過すると「新築」という言葉は使えなくなり、「未入居中古住宅」などと表現されるようになるので、「新築住宅(ことばの定義上)」を値引きできることは、ほぼないとも言えます。
ところが、中古住宅は、売主が個人の方であるケースが多く、「価格にシビアでない売主の方」も時々いらっしゃいます。
価格交渉が出来るかどうかは、売主や物件によって「ケースバイケース」です。
どうしても欲しいけれども…
「あと少しだけ価格を下げてくれたら、予算内に収まるので、何とかならないだろうか?」という相談は、不動産会社にしてみる価値があります。
不動産会社は、そういった「駆け引き」については、「この売主さんは、多少安くしてくれそうだな…」とか、「この売主さんは価格交渉には、全く応じてくれないだろうな…」という感覚が、経験上なんとなくあったりします。
気に入った物件が見つかり、「腹は決まっているんだけど、もう一声」というときは、ダメもとで、不動産会社に正直に相談してみるのも一つだと思います。
ただし、不動産会社も売主さんに対する「信頼関係」や「会社の看板」がありますので、価格交渉が成功したのに、契約はしないという行為だけは、決してしないでください。
不動産会社もあなたも、信用を失う結果となってしまいます。
第5位 すぐに引渡しを受けることが出来る
新築住宅のデメリットでもご説明した通り、新築マンション一般的な「青田買い」や、注文住宅での新築一戸建ての場合は、引渡しを受けるまでに「半年~1年近く」待つ必要があったりします。
その点、中古住宅は、契約して住宅ローンの手続きが終わって、売買代金全額の支払いができれば、すぐにでも引渡しを受けて、住み始めることも可能です。
希望のエリアで、なるべく早く住宅を購入して住み始めたい方は、中古住宅という選択が大きな候補になるのではないでしょうか。
中古住宅のデメリット 1位~5位
第1位 不具合の対応は、ほとんど自己責任
中古住宅は、品質の良いものから悪いものまで、様々になります。
例えば、柱や梁(はり)などが太くしっかりしていて、「骨太で地震に強く、頑丈で長持ちする構造になっている中古住宅」は、けっこうな割合で存在します。
ただし、古い分、設備(キッチン・浴室・洗面台・トイレなど)や外壁のコンディションは、それなりの劣化などが進んでいて「不具合の発生頻度」は、新しい住宅に比べると多くなります。
設備や外壁などの交換やメンテナンスコストは、自分の負担となりますので、その分の予算を確保しておきましょう。
中古住宅は、安く購入できることが一番のメリットです。
その反面
・古くて
・保証の範囲が狭く
・何かあっても自己責任対応(一般的に)
となる点が、一番のデメリットです。
デメリットもありますが、「予算を抑えたい方」の他にも、「立地にこだわりたい方」にも、中古住宅はおススメです。
建物の不具合のリスクが一番心配なところですが、対策としては2つあります。
①購入前に「インスペクション(建物診断)」を入れて判断する。
②購入前に、リフォーム会社に現地に同行してもらい、「だいたいのリフォーム予算やリフォーム箇所のアドバイス」をもらってから、不動産の契約をする。
上記の方法を利用して、リスクを最小限に抑えることも一つだと思います。
第2位 ゼロから何かを作るような「ワクワク感」は少ない
注文住宅などでは、「0から自分の理想を練り上げて、形を造っていく」という様な、ワクワク感を楽しむことが出来たりします。
(ワクワク感よりも、面倒くささが勝る方もいらっしゃいますが…)
中古住宅は、既に形があるものを購入するということで、「0から新しいものを造る」ような変化の振れ幅は、新築住宅に比べると少ないと思います。
それでも、今までとは違う「新しい生活」をイメージして、「早く引渡しを受けて、新生活を始めたい!」とワクワクする気持ちは、中古住宅もそれなりに楽しめます。
第3位 古い(機能・デザインなど)点には、妥協が必要
説明するまでもありませんが、間取りや設備の機能などは、古いなりです。
ただし、リフォーム次第で、間取りも変えることは出来ますし、設備も最新の高性能なタイプに入れ替えることも可能です!
第4位 仲介手数料がかかる
中古住宅を購入する場合には、仲介手数料が必要となります。
第5位 税制優遇は、新築住宅の方が有利
税制優遇については、下記の様に、新築住宅の方が多く受けられる可能性があります。
●登録免許税の軽減:築20年以内(マンションなどの耐火建築物は築25年以内)が対象
●住宅ローン減税:1982年(昭和57年)1月1日以後に建築された住宅などが対象
●不動産取得税の軽減:築年数が新しいほど、控除額が大きい
●固定資産税の減税:新築後3年間(マンションなど新築後5年間)
なお、中古住宅購入に興味がある方は、『中古住宅購入』のポイントをまとめたブログがありますので、ぜひご覧ください。
中古住宅購入時 注意点(前編)7つのチェックポイントについて
中古住宅購入時の注意点(後編)古い家は今と生活様式が違います
中古住宅購入で失敗しない方法(前編)リフォーム費用等について説明
中古住宅購入で失敗しない方法(後編) 事故物件をさける方法など