この記事では「中古住宅特有の使い勝手の問題」と「新耐震・旧耐震 建築年月の問題」
そして「住宅購入で成功するための心構え」について、解説していきます。
特に、一戸建てタイプで、1,000万円以下の「格安中古住宅」を、検討されている方は、今どきの家とは、「生活様式が違う」間取りになっている点も含め、本当に自分たちのライフスタイルに合っているのか?注意して判断してもらえたらと思います。
中古住宅では「思いがけない使い勝手の問題」にも気を付けないといけません!
こんにちは、公認 不動産コンサルティングマスター資格保有者・上越市の不動産会社「LIXIL不動産ショップ 上越中央店」の金丸です。
気になる中古住宅があり、実際に現地を見学することになった際、現地でどんな点を注意して見たらいいのか?
前編の記事では「建物のコンディションに問題がないか?」という注意点について、ご説明しました。
この記事では、「使い勝手の問題」と、「建築年代のポイント」等について説明させていただきます。
もくじ(タップで跳べます)
1.使い勝手の問題
①冷蔵庫が入らない
新築や築浅住宅では心配ないことが多いのですが、昭和から平成10年頃までに建てられた中古住宅のよくある盲点として、「冷蔵庫を置くスペースが狭い」ことが多く、今の冷蔵庫がサイズ的に収まらないことがあります。
なぜかというと、最近の冷蔵庫は以前と比べると、サイズがかなり大きくなっているからです。
「現在使用している、または、購入予定の冷蔵庫が設置できなかった」なんてことのない様に、現地で寸法を確認するといいと思います。
②段差が思いのほかキツイことも
古い物件ほど、廊下と居室や水廻りなどに段差があるケースが多くなります。
中古住宅の場合、段差があるのが通常ですので、仕方がない部分だと思いますが
・つまづきやすい段差がないか?
・段差がどの程度あるのか?
現地でしっかりとチェックしてください。
③階段がかなり急な場合もあります
最近建てられている住宅では、まず見かけなくなりましたが、戦後から昭和50年位頃までの建築年代の建物は、戦後復興や団塊の世代の旺盛な「住宅需要」があったので、質よりも量が優先されていた時代背景も影響して、質の悪い住宅も一定数ありました。
築年数でいうと、だいたい築40年以上の住宅にあたりますが、「お金がしっかりと掛けられた上に、職人さんが丁寧な仕事をされていて、質の高い住宅」もある一方で、「安普請(やすぶしん)で、柱が異様に細かったり、階段が以上に急だったり…と、あきらかに品質が低い住宅」も時々あります。
予算の都合もありますので、残念ながら、ゆったりとした造りの住宅を選択できない場合もあると思います。
その際には「階段が急すぎないか?」「階段に手すりが付いているかどうか?」についても、忘れずにチェックしておいた方がいいですね!
④古い住宅は、リビングダイニングではありません
昭和から平成5年頃までの建築年代の建物は、今風にリノベーションなどをしている場合を除いて「LDKタイプでなく、リビングのないDKタイプ」が一般的です。
「ダイニングキッチンが4.5帖から6帖程度で、食事を作って食べるための部屋ということで北向きの位置にある」ことが多いです。
陽当たりは当然良くはなく「純粋に料理をすること」と「食事をすること」が目的のスペースとなります。
くつろぐための部屋(今でいうリビングにあたる部屋)は、キッチンとは別の場所に「6~8帖の和室(居間)」が南向きの陽当たりのよい位置にあったりします。
ですから、「どの部屋で食事をして、どの部屋でくつろぐのか?」現地でよくイメージしてみることが大事です。
⑤リビングが欲しい場合は…?
「ご家族が一番長くすごす快適なリビング空間が欲しい!」と考えている場合、広さ的には最低10帖以上はあったほうがいいと思います。
そのためには、「築30年以内(平成5年以降あたり…の建築年代)位の、できるだけ築年数の新しい住宅」または、「今風にリノベーションがされている住宅」の中から候補を選ぶことがよろしいかと思います。
⑥使い勝手の良いリビングの形は…?
余談ですが、リビングは、同じ面積なら正方形でななく、長方形の方が使い勝手がよく快適だったりします。
リビングが正方形に近い場合は、家具の配置がけっこう難しくなります。
例えば、「ダイニングテーブルを置いて、ソファー等も合わせて置きたいな!」という場合には、長方形のリビングだと、2つともうまく配置できます。
ところが、正方形に近いリビングだと、スペースが余っているけれど両方の家具をうまく置けずに、ダイニングテーブルだけしか置けないといったケースもよくあります。
⑦収納はタンス利用が普通でした
築年数が古い物件だと、例え洋間でも、備え付けのクローゼットなどの収納がなく、タンスを置いて服などを収納していたタイプが多いです。
寝室や子供部屋など各居室に収納があるのか?確認しましょう!
ない場合は、収納をどうしたらよいのか?考える必要があったりします。
⑧2階にトイレは通常ありません
最近の新築住宅は2階にもトイレを設置することが多くなってきましたが、築20年以上の住宅の場合、2階にはトイレがないことが一般的です。
「2階にトイレがなくて大丈夫か?」あらかじめご家族で話し合っておかれるとよろしいかと思います。
⑨駐車場はあっても通常1台分です
最近は、地方都市では、車を持っていることが当たり前になりました。
ブログ管理人の住んでいる「新潟県上越市」では、夫婦で2台車を持っている家庭が一般的です。
しかし、30~40年前などは、今ほど車社会ではなかったので、それ位の築年数の物件は駐車スペースが1台のケースがほとんどです。
予算の都合などで、築年数の古い物件を中心に物件を探すと、駐車スペースが2台以上の物件が少なかったりします。
もしも、庭などを潰して「駐車スペースを作る」ことを考えた場合、敷地内に十分なスペースがあるかどうか?のチェックが必要になります!
⑩「高床式住宅の車庫」には、背の高い車は入りません
ブログ管理人の住んでいる「新潟県上越市」は、豪雪地帯です。雪の対策もあり「高床式住宅」が平成元年~平成10年位の間に多く建設されました。
しかし、1階の高床部分に車を格納するタイプは、床から天井までの有効高さが175cm前後のケースが多く、現在、流行の「背の高い軽自動車」や「ミニバン」が入らないことがありますので、車庫の有効高さのチェックも必要だったりします。
2.新耐震か旧耐震か 建築年代の問題
建築時期について、昭和56年(1981年)と平成12年(2000年)以降かどうか?が大きな基準となります。
●昭和56年(1981年)6月1日以降に建築確認申請を取得して建てられた住宅は、新耐震基準で建てられており、一定以上の耐震性を持っているものと考えることができます。
●昭和56年(1981年)5月31日以前に(建築確認申請を取得など)建てられた住宅は、旧耐震基準となりますので、耐震性に問題がある(不明)可能性があります。
●平成12年(2000年)にも、大きな耐震基準の改正がありました。
柱や筋交いの接合部に使用する「金物の種類や位置など」が、具体的に定められました。
ここを境に木造戸建の耐震性が大きく向上しています。
上記の理由から、中古住宅購入には、最低でも昭和56年6月以降の物件、さらに平成12年以降の建築年の住宅なら、なお安心だと考えられます。
ただし、それ以前に建てられた住宅でも、耐震性に問題があるかどうかは、いちがいには言えません(問題ない建物もあれば、問題のない建物もあり、玉石混交となります)ので、建築年代は、一つの目安としてお考えください。
●平成15年(2003年)には、シックハウス症候群の対策などを目的として、新築住宅には「24時間換気システム(換気扇を利用して、室内の空気と新鮮な外気とを計画的に入れ替えるシステム」の設置が義務付けられました。
もしも、「24時間換気システム」が備えられた住宅を希望する場合は、平成15年以降の建築年の住宅を検討することがおススメです。
3.住宅購入で成功するための心構え
その他、チェックポイントは無限と言えるほどあります。
ただし、100点の物件はありません。どの物件もみんな一長一短です。
お金(資金)に糸目をつけないのであれば、「ご自分の理想をすべて満たす住宅」を手に入れることが出来ると思いますが、現実的にはご予算とのバランスを取ることになります。
・自分たち家族のこだわりたいポイント
・逆に、妥協できるポイント
を明確にして
さらに、優先順位を付けたうえで
なるべく、問題の少ない住宅を選んで、ご家族の目的にあった物件を購入することがおススメです!
気になる点は、リフォームで解決できるケースもあります。
ご希望の方には、リフォーム会社のご紹介もさせていただいております。
もしも、中古住宅購入やリフォームに関して、ご不明な点やご相談したい事などございましら、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。
●関連ブログ●
中古住宅購入時 注意点(前編)7つのチェックポイントについて
中古住宅購入で失敗しない方法(前編)リフォーム費用等について説明
中古住宅購入で失敗しない方法(後編) 事故物件をさける方法など